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歯ぎしり・食いしばりで歯が欠ける原因と対処法
硬いものを噛んだ覚えもないのに、鏡を見たら歯が欠けていた、舌で触れると歯の表面に細い線のようなものがある——そんな経験に戸惑っていませんか。氷や硬いお菓子をかじったわけでもなく、転んだり打ったりした記憶もないのに歯が欠けると、「なぜ」という疑問が先に立つものです。実はこうしたケースの背景には、噛んだ瞬間の一度の強い力ではなく、日々の生活の中で無意識にかかり続けている力が関わっていることが少なくありません。この記事では、歯のひび・欠けに気づいたときの対応から、見落とされやすい原因、セルフチェック、歯科医院での検査までを銀座KU歯科が解説します。
歯が欠けた・ひびに気づいたときにまず確認したいこと

歯の欠けやひびに気づいた直後は、どう対応すればよいか分からず不安になる方が多いと思います。まず大切なのは、欠けた部分やひびのある部分を舌や指で何度も触らないようにすることです。触れる回数が増えると、鋭利になった部分で舌や頬の内側を傷つけてしまう場合があります。
うがいをする際も、勢いよく強くゆすぎすぎないようにしてください。欠けた破片が口の中に残っている場合は、無理に取り出そうとせず、清潔なティッシュやケースなどに保管しておくと、来院時に歯科医師が状態を確認する際の参考になることがあります。
また、欠けた歯の表面がざらついている、尖っていると感じる場合は、その部分が舌や頬の粘膜に触れないよう、食事の際にも注意を払っておくとよいでしょう。硬いものやねばついたものを噛む側を変える、あるいは控えるといった配慮も、それ以上の欠けを防ぐ助けになります。
痛みがない場合でも、「様子を見れば大丈夫だろう」と自己判断せず、できるだけ早めに歯科医院へご連絡ください。欠けの範囲やひびの深さは、見た目だけでは正確に判断しづらいことが多く、専門的な検査によって初めて状態が分かる場合があります。当院では、こうしたご相談にもできる範囲でお答えしていますので、まずはお電話やWEB予約からご連絡いただければと思います。
痛みがなくても放置してよいとは限らない理由
「欠けているけれど痛くないから、急いで受診しなくてもよいのでは」と考える方は少なくありません。実際、歯のひびや欠けが浅い段階では、痛みを感じにくいことがあります。歯の表面を覆うエナメル質には神経が通っていないため、この部分だけにとどまるひびや欠けであれば、しみたり痛んだりする自覚症状が出にくいのです。
しかし、痛みがないことと、問題が起きていないことは必ずしもイコールではありません。ひびや欠けができた部分は、表面がなめらかな健康な歯とは異なり、細かな段差や隙間が生じている場合があります。そこに汚れや細菌が入り込みやすくなり、時間の経過とともに虫歯へと進行する場合があることは、知っておいていただきたい点です。
また、ひびは目に見える範囲だけにとどまっているとは限りません。表面からは小さな線にしか見えなくても、歯の内部までひびが及んでいる場合もあり、その深さは外見だけで判断することが難しいとされています。痛みという分かりやすいサインが出ていないからこそ、進行に気づきにくいという側面があるのです。
もちろん、症状の感じ方や進行のスピードには個人差があります。「痛くないから大丈夫」と決めつけず、気になる欠けやひびを見つけた際は、一度歯科医院で状態を確認してもらうことをおすすめします。早い段階で確認しておくことが、結果的に負担の少ない対応につながる場合があります。
歯にひび・欠けが起こる主な原因
歯にひびが入ったり、欠けたりする原因はひとつではなく、いくつかの要因が重なって起こることが多いとされています。ここでは代表的な原因を整理します。
外傷(転倒・衝突など)
転んだ拍子に顔や口元を打ってしまった、スポーツ中に接触があったなど、外部からの強い衝撃によって歯が欠けたり、ひびが入ったりすることがあります。こうした場合は原因がはっきりしているため、比較的気づきやすいケースです。
硬いものを噛んだことによる負荷
氷、硬いお菓子、骨付きの食材などを噛んだ際に、想定以上の力がかかり、歯が欠けることがあります。ただし、必ずしも「特別に硬いもの」だけが原因とは限らず、普段どおりの食事の中でも、噛む位置やタイミングによっては負担が集中する場合があります。
虫歯による歯の脆弱化
虫歯が進行すると、歯の内部が変化し、健康な状態に比べて構造的にもろくなることがあります。虫歯そのものは自覚していなくても、内部で進行していた結果、外からの力に耐えきれず欠けてしまうケースも見られます。
過去の治療(詰め物・被せ物)の劣化
以前に治療を受けた歯の詰め物や被せ物は、年数の経過とともに劣化したり、境目にわずかな隙間が生じたりすることがあります。こうした部分は健康な歯の表面に比べて力に対する耐性が変化しやすく、欠けや脱離のきっかけになる場合があります。特に長年経過した詰め物・被せ物は、材質の変化や接着面の劣化が進んでいることもあり、見た目には問題がなさそうでも、内部でわずかな浮きが生じているケースもあります。
加齢による歯質の変化
年齢を重ねると、歯の内部や表面の構造にも少しずつ変化が生じるといわれています。長年使ってきた歯は、若い頃と比べて外からの力に対する反応が変わってくる場合があります。また、歯ぐきが下がることで、これまで歯ぐきに覆われていた部分が露出し、力に対してもろくなりやすいと考えられている点も、加齢に伴う変化のひとつです。
食いしばり・歯ぎしり
そしてもうひとつ、見落とされがちなのが食いしばりや歯ぎしりです。この要因については、次の章で詳しく取り上げます。
見落とされやすい原因|食いしばり・歯ぎしり
「硬いものを噛んだ記憶がないのに、なぜ歯が欠けたのか」という疑問に対して、実はこの食いしばり・歯ぎしりが大きく関わっているケースが少なくありません。歯が欠けるというと、何か特別に硬いものを噛んだ瞬間をイメージしがちですが、食いしばりや歯ぎしりによる負担は、そうした一度きりの出来事とは性質が異なります。就寝中や日中の集中している時間帯に、無意識のうちに歯と歯を強く接触させ続けることで、目には見えない小さな負荷が繰り返し歯にかかっていきます。この蓄積が、ある日突然「欠けた」という形で表面化することがあり、噛んだ瞬間の記憶がないのに歯が欠けたと感じる背景には、こうした積み重ねが隠れている場合があります。
就寝中に起こる食いしばりや歯ぎしりは、本人の意識が及ばない時間帯に生じるため、自分では気づきにくいという特徴があります。同居する家族に指摘されて初めて知る方もいれば、朝起きたときに顎まわりが重く感じる程度の変化しか自覚できないまま、誰にも気づかれずに長期間続いているケースも少なくありません。
また、食いしばりは就寝中だけのものと思われがちですが、実際には日中の活動時間にも起こります。仕事に集中しているときなど、意識がほかのことに向いているタイミングで、無意識に上下の歯を強く噛みしめてしまうことがあります。噛む力は歯の位置によってかかり方が異なり、奥歯は構造上、噛み合わせの中でも力が集中しやすい部位とされているため、「奥歯が欠けた」という訴えが比較的多いのも、こうした力のかかり方と関係していると考えられます。
なお、こうした持続的な力が詰め物・被せ物にどのような影響を与えるか、そのメカニズムについては別記事でより詳しく取り上げています。ここでは、まずご自身の歯に力がかかっているサインをセルフチェックで確認してみましょう。
セルフチェック|歯に力がかかっているサイン

以下の項目のうち、当てはまるものにチェックを入れてみてください。歯や修復物の状態、起床時の感覚を中心にまとめています。
- 舌で触れると、歯の表面にざらつきや小さな段差を感じる部分がある
- 特定の奥歯だけ、以前より噛んだときの高さが低くなった気がする
- 詰め物・被せ物の縁が浮いている、段差ができていると感じることがある
- 硬いものを噛んだ覚えがないのに、詰め物や歯の一部が欠けたことがある
- 起床直後、顎や歯列全体に重だるさや張りを感じることがある
- 鏡で見ると、前歯や奥歯の先端がわずかに尖って見える、または欠けて見える箇所がある
- 特定の一本の歯だけ、冷たいものがしみやすいと感じる
- 集中して作業しているとき、気づくと奥歯を強く噛みしめていることがある
- これまでに複数回、同じ歯の詰め物が外れたり欠けたりしたことがある
該当数の目安
- 0〜2個:現時点で歯に大きな負担がかかっている可能性は高くないと考えられますが、今後も変化がないか気にかけておきましょう。
- 3〜5個:歯に一定の力がかかっている可能性があります。次の章で紹介する進行の目安も参考にしながら、気になる症状があれば一度歯科医院で確認しておくと安心です。
- 6個以上:すでに歯や修復物に負担がかかっている可能性があります。欠けやひびが進行する前に、歯科医院での確認をおすすめします。
ひびの進行と、放置した場合に起こりうること
歯のひびは、深さによっていくつかの段階に分けて考えることができます。ここでは一般的な進行のイメージを紹介しますが、進行のスピードや現れる症状には個人差があり、必ずしもこの通りに進むとは限りません。
歯の表面を覆うエナメル質の範囲にとどまるひびの場合、神経が通っていない部分であるため、痛みなどの自覚症状が出にくい場合があります。見た目にも細い線程度にしか見えないことが多く、気づかないまま過ごしてしまう方も少なくありません。
ひびがエナメル質の内側にある象牙質にまで及ぶと、冷たいものや甘いものがしみるといった知覚過敏に似た症状が出る場合があります。象牙質には細かな管状の構造があり、外部からの刺激が伝わりやすくなるためと考えられています。
さらにひびが深くなり、歯の神経に近い部分にまで達すると、何もしなくてもズキズキとした痛みを感じる場合があります。この段階になると、神経に関わる処置が必要になる場合があります。
まれに、ひびが歯の根の部分にまで及ぶ場合もあります。この場合、歯ぐきの腫れや、噛んだときの違和感が続くといった症状が現れる場合があります。歯根に及ぶひびは表面からは確認しづらく、レントゲンなどの検査によって初めて分かるケースも少なくありません。
いずれの段階も、進行の程度は歯の状態や生活習慣によって異なり、すべてのケースがこの順番通りに進むわけではありません。放置すると必ず深刻な状態になるというものではありませんが、早い段階で確認しておくことで、歯科医院での対応の選択肢が広がる場合があります。気になるひびや欠けを見つけたら、様子を見続けるのではなく、早めにご相談ください。
歯科医院で行う検査と対応

歯のひびや欠けが疑われる場合、当院では次のような検査を行いながら状態を確認していきます。
視診
まず歯の表面を目視で確認し、欠けの範囲やひびの見え方、周囲の歯ぐきの状態などをチェックします。噛み合わせたときの歯の当たり方や、詰め物・被せ物との境目の状態もあわせて確認していきます。
透過光を用いた確認
歯に光を当てて透過の具合を確認することで、肉眼では分かりにくい細かなひびの位置を把握しやすくなる場合があります。光の通り方に違いが出る部分があれば、そこにひびが存在する可能性を確認する手がかりになります。
染色による確認
専用の染色液を使用し、ひびの部分に色がつくかどうかを確認する方法です。ひびの範囲をより明確に把握する際に用いられることがあり、肉眼だけでは判断しづらい細いひびの広がりを確認するのに役立ちます。
レントゲンによる確認
歯の内部や歯根の状態、周囲の骨の様子を確認するために、レントゲン撮影を行う場合があります。目視だけでは分からない部分の状態を把握するために有効な検査のひとつで、ひびが歯根近くまで及んでいないかどうかを確認する際にも用いられます。
噛み合わせの確認
欠けやひびの原因に食いしばり・歯ぎしりが関わっていると考えられる場合は、噛み合わせ全体のバランスもあわせて確認します。特定の歯にだけ強い力がかかっていないかを見ていくことで、今後の対応方針を検討する材料になります。
これらの検査結果をもとに、歯の状態に応じた対応の方向性をご説明します。歯の状態によって適した方法が異なるため、詰め物や被せ物による修復が検討される場合は、審美修復治療のページもあわせてご確認ください。診療時には、検査結果を踏まえて一人ひとりに合った選択肢をご相談しながら決めていきます。
再発を防ぐためにできること
ひびや欠けの原因が食いしばりや歯ぎしりに関わっている場合、修復を行うだけでなく、力がかかり続ける状態そのものへの対応も大切になります。
ナイトガードの活用
就寝中の食いしばりや歯ぎしりに対しては、専用のマウスピースであるナイトガードを用いて、歯にかかる力を分散させる方法があります。ナイトガードの役割や仕組みについては、咬合改善のページ、および別記事でより詳しく解説しています。
日中の噛みしめに気づく習慣
日中の食いしばりは、意識を向けることで軽減できる場合があります。ふとした瞬間に上下の歯が強く触れ合っていないかを確認し、気づいたら力を抜くようにするだけでも、歯にかかる負担の軽減につながることがあります。
硬いものへの配慮
すでに欠けやひびがある歯がある場合は、その部分で硬いものを噛むことを避け、負担のかかりにくい噛み方を意識することも、再発を防ぐうえで役立ちます。左右どちらか一方の歯にだけ噛む力が偏らないよう、意識して噛む位置を変えてみることも、一つの工夫になります。
定期的な確認を習慣にする
一度欠けやひびを経験した歯は、再び同じ部分に負担がかかりやすい場合があります。修復後も、詰め物・被せ物の状態や噛み合わせに変化がないかを、定期的な来院の際に確認しておくと安心です。小さな変化のうちに気づくことができれば、その後の対応もより負担の少ない形で検討しやすくなります。
これらは一つひとつが小さな工夫ですが、日常的にかかり続ける力への対応という点で、再発の防止につながっていきます。気になる症状がある場合は、セルフケアと並行して、当院での確認もあわせてご検討ください。
よくある質問
欠けた歯を自分で接着してもよいですか?
市販の接着剤などで自己処置を行うことはおすすめできません。かえって歯の状態を確認しにくくしてしまう場合もありますので、欠けに気づいた際は、自己処置をせずに歯科医院を受診してください。
痛くないひびも治療が必要ですか?
痛みの有無だけでは、ひびの深さや今後の進行を正確に判断することは難しいとされています。痛みがない場合でも、一度歯科医院で状態を確認しておくことをおすすめします。
保険は使えますか?
検査や治療の内容によって、保険が適用される場合と自費診療となる場合があります。費用については診療時に個別にご案内していますので、まずはご相談ください。
ひびは自然に治りますか?
一度入ったひびが自然にふさがることは考えにくいとされています。進行の程度は個人差がありますが、気になる場合は早めに歯科医院でご相談ください。
詰め物が何度も取れるのはなぜですか?
詰め物や被せ物の境目に持続的な力がかかることで、接着部分に負担が生じ、外れやすくなる場合があります。食いしばりや歯ぎしりが関わっているケースもあるため、繰り返し外れる場合は、歯の状態と噛み合わせの両方を確認することをおすすめします。
奥歯が欠けやすいのはなぜですか?
奥歯は噛み合わせの中でも力がかかりやすい位置にあるとされ、食いしばりや歯ぎしりの影響も集中しやすい部位です。気になる違和感がある場合は、早めにご相談ください。
一度欠けた歯は、また欠けやすくなりますか?
一度負担がかかって欠けた歯は、修復した後も同じ部分に力が集中しやすい場合があります。ナイトガードの使用や噛み方の見直しなど、力そのものへの対応をあわせて行うことで、再発のリスクを抑えられる場合があります。気になる場合は診療時にご相談ください。
まとめ
硬いものを噛んだ記憶がないのに歯が欠けた、ひびのようなものを見つけたという場合、その背景には食いしばりや歯ぎしりによる日常的な力の蓄積が関わっていることがあります。痛みがないからと様子を見続けるのではなく、気になる変化に気づいた時点で、一度歯科医院で状態を確認しておくことが、その後の負担を軽くすることにつながります。
銀座で通いやすい歯科医院をお探しの方、歯の欠けやひびが気になる方は、無理をせず当院にご相談ください。検査の内容や再発防止の対応については、咬合改善のページ、審美修復治療のページでも詳しくご案内しています。
監修者情報
吉野 綾
銀座の歯医者 インプラント治療・
矯正治療・審美歯科治療
銀座KU歯科
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